マクロファージがコレステロールを主体とする脂質を多量に蓄積した泡沫細胞となり、これが真皮内に浸 潤することによって生じる黄色の病変。 脂肪滴で充満した組織球が集積したものであり、高脂血症の病型鑑別に利用される。
摩擦などの外力や炎症が引金となって、血中のリポタンパクが血管外に漏出すると、リポタンパクが酸化 されて病原性を獲得する。これをマクロファージが取り込んで泡沫細胞となる。
泡沫細胞が巣状に浸潤し、なかには相互に融合してTouton型多核巨細胞がみられる。
四肢や体幹部に急速に発症し消退する黄色腫で、高トリグリセリド血症に特異的に出現する。
肘頭や臀部など外的刺激を受けやすい部位に好発する。
アキレス腱などの腱が棍棒状に肥厚する黄色腫で、高脂血症II型に特徴的な病変。
画像は こちら。
| 種類 | 高脂血症の型 |
| 丘疹性発疹性黄色腫 | I,V |
| 手掌黄色腫 | III |
| 結節性黄色腫 | II,III |
| 腱黄色腫 | II |
| 眼瞼黄色板 | II,正脂血症 |
高脂血症が存在する場合は、食事療法などで血中の脂質値を正常化する。
VLDL増加型の高トリグリセリド血症やIII型高脂血症に対しては、 クロヒブレート clofibrate などのリポタンパクリパーゼ活性薬で リポタンパクリパーゼを活性化してVLDL濃度を低下させる。
高コレステロール血症に対しては、ロバスタチン lovastatin などの HMG CoA還元酵素阻害剤やプロブコール、あるいはコレスチラミン cholestyramine などの胆汁酸体外排泄促進薬を投与する。
特にプロブコールは黄色腫の縮退効果がもっとも大きい。
アミロイドーシスとは、「正常の体内では存在しないはずのアミロイドが細胞間間質に沈着する一群の疾患」
A fibrillar protein with a peculiar configuration, namely, the beta-pleated sheet, which gives amyloid the property of polarized birefringence.
多発性骨髄腫における、免疫グロブリンのL鎖に由来するアミロイドタンパクであるALタンパクの沈着。
HDLに含まれる部分に由来する。 炎症に伴って肝細胞で産生される前駆タンパクから網内系細胞で作られる。 続発性アミロイドーシで、主に血管壁に沈着する。
IgG1に由来する。
炎症などに続発して、主に血管壁にAA(amyloid-A protein)が蓄積するアミロイドーシス。 基礎疾患としては、
心筋や弁にアミロイド線維が沈着すると心室壁が肥厚し、心室の拡張障害によって拘束型心筋症となる。さらに収 縮障害も起こり、鬱血性心不全となる。
中年女子に多い。
congo red で染色するとアミロイドが紅く染まる。
アミロイドーシスとは、「正常の体内では存在しないはずのアミロイドが細胞間間質に沈着する一群の疾患」
ステロイド外用によって治癒するので、予後は良好。
中年女子に多い。
既存の皮疹にアミロイド沈着を来たすもの。 基礎疾患として、基底細胞上皮腫、老人性角化症、ボーエン病などがある。
ムコ多糖類とタンパクとの複合物が沈着する。 サイログロブリンに対する自己抗体によって生じた甲状腺機能低下症と関係が深い。
顔面全体が浮腫状で、鼻梁が幅広く、唇が厚い
ヘム合成系に関与する酵素の異常によって、その中間代謝物であるポルフィリン体あるいはポルフィリン 前駆体が生体内に蓄積することによって生じる。
4つのピロール環が互いに methenylで結合した化合物であり、骨髄と肝臓が合成の場となり、最終的に鉄イオンが 結合してヘムとなる。ヘムは赤芽球でグロビンと結合してヘモグロビンとなり、肝臓で電子伝達系を 構成するチトクロームとなる。
なお金属イオンとキレートしていない遊離ポルフィリンは光毒性を持つ。
ポルフィリン代謝のシェーマは こちら。
ポルフィリンの過剰産生が主に骨髄で行なわれるもの。
尿中へのポルフィリンの排泄がない。
ポルフィリンの過剰産生が主に肝臓で行なわれるもの。赤血球中のポルフィリンは増加しない。
皮膚に蓄積されたポルフィリン体が日光暴露によって光毒性反応を起こして皮膚症状が出現する。 ただし急性間歇性ポルフィリン症ではポルフィリン体が蓄積されないので本症状は生じない。
肝性ポルフィリン症の場合に、尿中のポルフィリン体を検出する。
赤芽球でのポルフィリン合成障害があり、ポルフィリンの過剰産生が主に骨髄で行なわれるもの。
ウロポルフィリノーゲンIIIコシンターゼ uroporphyrinogen III cosynthase,UCS の高度の減少によるもの。
尿中ポルフィリンが検出されない。
赤芽球におけるウロポルフィリノーゲンIIIコシンターゼ uroporphyrinogen III cosynthase,UCS の高度 の減少によるもの。常染色体優性遺伝病である。
生後まもなくから光線過敏症を発症する。
ウロポルフィリンIが尿中および血中に増加する。
赤芽球における ferrochelatase 活性の低下によるもので、尿中ポルフィリンは検出されない点が特徴で ある。 常染色体優性遺伝病であると考えられている。
赤血球および糞便中のプロトポルフィリンは増加するが、プロトポルフィリンは水溶性なので尿中では検 出されない。
本症では血管周囲の蓄積物がPAS染色にて強陽性に染まるのが特徴である。
肝細胞におけるヘム生合成の障害は認められるが、赤芽球では異常を認めない。 したがって貧血を生じない。
ポルフィリンの過剰産生が主に肝臓で行なわれるもの。赤血球中のポルフィリンは増加しない。
神経症状はなく、もっぱら光線過敏症が前景に立つ。
急性発症時に神経症状が見られる点が特徴的である。これはポルフィリン前駆体の蓄積に起因する。
肝性ポルフィリン症に属し、皮膚症状が前景に立つもの。 中年以降に発症し、急性皮膚症状は少なく、むしろ日光暴露部の色素沈着・水疱が主体となる。
長期にわたって大量の飲酒を続けた中年男性に好発し、肝障害によって後天的に肝臓でのUROD活性が低下したもの。 アルコール以外の誘因としてはエストロゲン・鉄の過剰摂取などが挙げられる。 エストロゲン摂取には、避妊薬の常用・閉経後のエストロゲン療法・前立腺癌の抗アンドロゲン療法がある。
常染色体優性遺伝病であり、肝臓と赤血球の両方においてUROD活性が低下している。
常染色体優性遺伝病であり、肝臓のUROD活性が低下している。
ウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ uroporphyrinogen decarboxylase,UROD の活性低下に起因する。 尿中にウロポルフィリノーゲンIが増加し、糞便中には ISOCOPRO が増加する。
日光暴露部に水疱を生じ、容易に破れて瘢痕・色素沈着を来たす。
尿中のポルフィリン体を検出する。特に尿中ウロポルフィリンの増加が著しい。 また糞便中にISOCOPROが出現する点が特徴的である。
鉄の過剰が本症の誘因の一つであるから、血清鉄を減少させる目的で行なう。
PBGDの活性低下により生じる、急性肝性ポルフィリン症の代表である。 蓄積されるのはポルフィリンではなくポルフィリン前駆体のみであるので、光線過敏症は生じない点が特 徴的である。
PBG deaminase(PBGD) の活性低下によりポルフィリン前駆体であるPBGとALAが蓄積する。 ポルフィリンが蓄積されるわけではないので光線過敏症は来たさないが、ALAはGABAと構造が類似してい るためGABAと競合して神経症状を生じる。
全例に間歇性の腹痛を生じる。
四肢麻痺やヒステリー様症状などを呈する。
劣性遺伝性のトリプトファン代謝障害である。
亜鉛欠乏症。
遺伝性素因に基づく亜鉛欠乏症である。
亜鉛は腸で吸収されるため、潰瘍性大腸炎や中心静脈栄養の際に好発する。