声帯から気管分岐部(Th4付近)までをいう。 上皮は多列線毛上皮からなり、主として線毛細胞と杯細胞がある。 周辺は軟骨を平滑筋で囲まれる。
これより抹消は壁に軟骨と固有層での分泌腺を欠く。
上皮は単層円柱上皮であり、線毛細胞とクララ細胞で構成される。 周辺を比較的厚い平滑筋が取り囲んでいる点が特徴。なお一つの終末気管支の支配域を細葉 acinus という。
呼吸細気管支から肺胞まででガス交換の場となる。
上皮は単層立方上皮となる。しばしば線毛を失うため感染しやすい。 空気の伝達とともに、肺胞管の先に肺胞が嚢状に膨出して呼吸作用を営む。このため別名を中間領域という。
肺間質とは、肺胞上皮細胞基底膜と毛細血管内皮細胞基底膜で囲まれた領域。
肺区域 bronchopulmonary segment とは、肺葉のもっとも大きな区分で、第3次気管支(区気管支)と第3次肺 動脈とが分布している領域。
斜裂および水平裂によって上葉、中葉、下葉に分けられる。 さらに区気管支の分布域によって以下のように3区、2区、5区と分画される。
S1,S2,S3の3区ある。
S4,S5の2区ある。
S6-S10の5区ある。
斜裂によって上葉、下葉に分けられる。さらに区気管支の分布域によって以下のように5区、5区と分画 されるが、全部で8区に分画される。
通常、S7を欠く。
これより抹消は壁に軟骨と固有層での分泌腺を欠く。
上皮は単層円柱上皮であり、線毛細胞とクララ細胞で構成される。 周辺を比較的厚い平滑筋が取り囲んでいる点が特徴。なお一つの終末気管支の支配域を細葉 acinus という。
ここからガス交換に関与する、肺実質部である。
上皮は単層立方上皮となる。線毛を失うため感染しやすい。 空気の伝達とともに、肺胞管の先に肺胞が嚢状に膨出して呼吸作用を営む。このため別名を中間領域という。
2種類存在する。
ガス交換に関与する、扁平な細胞である。
界面活性剤を分泌し、表面張力を低下せしめる機能を持つ。 I型の間隙に存在する、立方で大型、微絨毛を持つ細胞である。
肺胞大食細胞(塵埃細胞)が肺胞腔内に散在する。 これは空気中から入った異物を細胞内に取り込み,抗原としてリンパ球に提示する(抗原提示)。
低酸素性肺血管収縮機構を備える。
胸部大動脈もしくは肋間動脈から分岐し、気管支壁を沿って肺に入る。 気管支から呼吸細気管支に至る領域に血液を送るが、肺実質には分布しない。
一部は奇静脈を経て右心に流入するが、残りは右心室をバイパスして肺静脈に戻る。 この経路の血液は肺胞でのガス交換にあずからないため生理学的シャントを形成する。
迷走神経から肺神経叢へと至る、ムスカリン性のコリン作動性遠心性線維
副交感神経は気管支平滑筋を収縮して気管支の内腔を狭める作用を持つ。 したがって過度の緊張は喘息を招来する。
胸内臓神経から肺神経叢へ至る。気管の弛緩・粘液分泌の抑制を行なう。
右心室に起始し、主幹部は上行大動脈と平行して走行する。 右肺動脈は上行大動脈の後方で右主気管支の前方を通って肺門部に至る。 左肺動脈は左主気管支の前方を覆い被さるようにして肺門部に至る。
低酸素性肺血管収縮機構を備える。
肺胞期酸素分圧が60mmHg以下では肺胞に近接する肺細小動脈が収縮する現象を意味する
これは肺が局所的な換気不全に陥った場合に肺血流を下げることで換気血流比を維持し、低酸素血症の増悪を防止す るという意義を有する。 しかし肺全体に換気不全が生じると肺血管抵抗の上昇のみをもたらすので、低酸素性肺高血圧症の原因となる。
胸部大動脈もしくは肋間動脈から分岐し、気管支壁を沿って肺に入る。 気管支から呼吸細気管支に至る領域に血液を送るが、肺実質には分布しない。
胸膜とは、胸壁の内面と肺の表面を覆う漿膜である。肺門の回りで折りかえって互いに移行するので嚢状を呈する。
呼吸に伴って臓器が動く際にその摩擦を軽減する。
肺の全表面を覆う胸膜である。ここには知覚神経が分布しないため痛覚がない。
胸腔を内面から覆う胸膜であり、胸内筋膜の下にある。 壁側胸膜には肋間神経から知覚神経が分布するので痛覚に敏感という特徴を持つ。 したがって胸膜炎などで胸痛を訴えることになる。
胸膜は袋状になっており、肺胸膜は肺門において壁側胸膜に移行する。 この移行部において胸膜が2重のヒダとなる部分を肺間膜という。
肺胸膜と壁側胸膜との間隙を胸膜腔 pleural cavities という。 この空隙は特に肺の前縁と下縁において大きく、ここを特に胸膜洞という。
胸腔と腹腔の境界をなす膜状の筋であり、呼吸を司る主力筋
横隔膜ヘルニアの好発部位。
Th8で、腱中心に開き、下大静脈、横隔神経の枝が走る。
Th10で開き、食道、迷走神経を通す。
Th12で開き、大動脈、胸管、交感神経が走る。
運動線維と交感神経線維を含む。
知覚性であり、臟側胸膜に分布する。
頸神経叢のC3,C4,C5より起こり、前斜角筋の前面を横切り、鎖骨下動静脈のあいだを通って胸腔内に入り、 肺門部気管支前面で縦隔強膜と心膜のあいだ(中縦隔)を通って横隔膜上面に到達する。 最終的に横隔膜および胸膜に分布し、呼吸運動を担う。
呼吸運動を担う。 横隔神経が刺激されると横隔膜の面積が縮小し、横隔膜は全体として下降するため、胸腔の容積が増す。 すると胸膜腔内の陰圧の程度が増し、肺は受動的に膨張する。
毎分ごとに肺胞に到達してガス交換にあずかる空気の容積。
| (1) |
二酸化炭素は拡散能力が高いため、肺胞内と動脈血内の二酸化炭素分圧はほぼ等しい。
したがって上記の式のように、
産生量と肺胞換気量にのみ依存することになる。
過換気症候群では肺胞換気量が増大するために二酸化炭素分圧が減少して呼吸性アルカローシスになる。
吸入気ガス濃度 FiO2, 換気血流比、ガス拡散能力などに依存する。
1回の呼吸で肺にはいる空気の体積
通常の吸息をなしたあとになお追加吸入しうる最大の吸気量
通常の呼息をなしたあとになお追加呼出しうる最大の呼気量
最大の呼出をなしたあとになお肺内に残っている空気量
基本気量を組み合わせた量である。
最大吸息後に呼出しうる最大呼気量であり、1回換気量と予備呼気量および予備吸気量を合わせた量と して算出される。 特に拘束性肺疾患ではコンプライアンスの低下が原因となって肺活量が減少する。
肺活量を評価するには被験者の年齢や性別を考慮しなければならない。
そこで
| (2) |
最大呼気位からできるだけ早くできるだけたくさん一気に呼出させたときの呼出量。 健常者ではFVCとVCは合致するが、閉塞性障害があると air trapping のためにFVCがVCよりも小さくなる。
予備呼気量と残気量を合わせた量
1回換気量と予備吸気量を合わせた量
1秒間に吐き出すことのできた呼気量の全体の肺活量に対する割合を意味し、閉塞性障害では特に1秒率が70%以下に
低下する点が特徴である。
| (3) |
肺の下の部分の気道が閉鎖しはじめるときの肺気量である。 とくに肺気腫の早期診断に利用される。
右心室から肺動脈を経て肺に入り、肺静脈を経て左心房に至る血行系を指す。
肺静脈圧と近似する。
肺胞期酸素分圧が60mmHg以下では肺胞に近接する肺細小動脈が収縮する現象を意味する
これは肺が局所的な換気不全に陥った場合に肺血流を下げることで換気血流比を維持し、低酸素血症の増悪を防止す るという意義を有する。 しかし肺全体に換気不全が生じると肺血管抵抗の上昇のみをもたらすので、低酸素性肺高血圧症の原因となる。
酸素分圧が大気中からミトコンドリアに行き着くまでに階段状に低下していくこと。
吸入気ガス濃度 FiO2, 換気血流比、ガス拡散能力などに依存する。
正常では PaO2 は PAO2 とほとんど同じ。この差を特に AaDO2 と記し、拡散障害の指標とする。
肺は上下に長い臓器であるから静水圧が肺尖部と底部では異なる。 底部のほうが静水圧が高いために血管が伸展して抵抗が減少し、その結果として血流量が多くなる。 したがって換気血流比は肺尖部よりも肺底部の方が低くなる。
換気血流比が低下するとシャントと同じ効果をもつ。換気血流比が上昇すると死腔と同じ効果をもつ。
シャントとは、肺胞換気量の低下や血管の短絡によりガス交換にあずからな い血流をいう。
死腔とは、呼吸系において肺毛細血管とのガス交換にあずからない空間をいう。 主として気道の導管部にとどまる空気である。 ふつう、1回換気量の約30% を占める。
呼吸系の全体積から肺胞体積を除いたものである。
実際にガス交換に参与しなかったガス量をいう。健康人ではこれは解剖学的死腔に等しい。 しかし、肺胞への血流が途絶したり、肺毛細血管血を動脈化する以上の過剰な肺胞換気量などは生理学的死腔を増 大させることになる。
肺コンプライアンスとは肺の伸展性の指標である。具体的には物体が変形したときに元の形に戻ろうとす
る性質をいう。
圧力
を加えたときに
の体積変化が生じた場合、コンプライアンスは次式で定義される。
もし肺のコンプライアンスが低下していると、
に対する
の増加はわずかとなり、
の値は小さくなる。
なお弾性とはコンプライアンスの逆数であり、
という関係がある。
有効な換気が行われるためには呼吸筋の収縮が 1) 肺の弾性 2) 摩擦抵抗に打ち勝つほどに強いことが必要となる。 ゆえにコンプライアンスの低下は肺が硬化することを意味しており、換気を低下させる。
サーファクタントは吸気によって一旦膨張した肺を呼気時に虚脱させないように表面張力を低く抑えるとい う機能を持ち、II型肺胞上皮細胞から分泌されるリポタンパクである。
表面張力に関するラプラスの法則は次のようになっている。
| (6) | |||
| (7) | |||
| (8) | |||
| (9) | |||
| (10) |
表面張力は表面活性物質 surfactant によって影響される。 表面活性物質は lecithin よりなり、表面張力を減少させる性質がある。 したがって吸息によって肺胞が膨張すると肺胞の表面張力は大きくなり、逆に呼息によって肺胞が萎縮すると表面 張力は小さくなる。 こうして呼気時に表面張力を低く抑え、内圧を一定に保つことができる??。
| (11) |
これから
| (12) |
| (13) |
| (14) |
またpHは次のように定義されるから、
| (15) | |||
| (16) |
![]() |
(17) |
ヘモグロビンと血漿タンパクのアミノ酸残基のNは
を受容できるので重炭酸イオンと同様に塩基としての作
用を持つ。
これらの重炭酸イオン以外のバッファーを Buf で表すと
H Buf → Buf- +
このとき Buf
と
の和を緩衝塩基という。
この値は呼吸性の酸塩基障害の場合には変化しない。 なぜならたとえば呼吸性アシドーシスの場合
+ H2O + Buf- → HBuf +
+
となるからである。
緩衝塩基を個人ごとにとらえなおしたものとして過剰塩基がある。
| (18) |
緩衝塩基の減少を意味するので、代謝性アシドーシスを示唆する。
緩衝塩基の増加を意味するので、代謝性アルカローシスを示唆する。
O2を吸入してもPO2低下が改善されないことから判明する。
P
の低下によって血液が塩基性を帯びることを、呼吸性アルカローシスという。
低カリウム血となる。
一次反応として、肺胞気P
は低下し、血中[
]は正常値以下に減少する。
P
の低下は脳の血管を収縮させ、意識消失を招く。
pHが上昇し、かつPaCO2が低下する。
呼吸性アルカローシスに対する腎性代償では
が減少する。
低いPCO2では、腎臓が
分泌を抑制し
分泌を促進することのよってpHの回復をはかる。
逆から見れば、正常値のpHで血漿
が低い状態は、アルカローシスに対して代償作用が行われたことを示
唆するものである。
血漿が塩基性の場合は、血漿タンパクが負電荷を帯びるので
との結合性を増し、血
漿の遊離型カルシウムイオン濃度は低下する。
したがって過換気による呼吸性アルカローシスは筋肉を痙攣させる。
Henderson-Hasshelbalch式から明らかなように、肺換気の低下により動脈血の PCO2 が上昇すれば、[
」
も上昇する。
これを呼吸性アシドーシスという。
脳脊髄液の [
] が上昇し、延髄の化学受容器を刺激する。
脳の血管を拡張し、脳浮腫を惹起する。
pHが低下し、かつPaCO2が上昇する。
アシドーシスでは腎尿細管の
が増加し
を体外に排出する。
吸入された粒子が20μm以上では鼻粘膜で捉えられる。10μm以上は気管で、10μm以下は細気管支で捉えられる。 細菌やウイルスなどの3μm以下のものは肺胞に沈着する。
気管支は線毛と分泌腺を備え、線毛運動によって粘液を口腔側に搬送する。 呼吸細気管支以下は線毛を欠き、粘液・線毛クリアランスが作動しないためにクリアランスは主にリンパの流れ によって行なわれる。
咳反射の低下は嚥下性肺炎を招きやすくする。
上気道には常在菌が存在していおり、病原菌の繁殖を抑制する。
補体、リゾチーム、β defensin,肺サーファクタント,NO代謝産物など。
呼吸細気管支以下に分布し、好中球とともに異物を貪食する。 そのほかIL-1を分泌して線維芽細胞の増殖を促進したり、T細胞のIL-2分泌を惹起する。 また所属リンパ節に移行してT細胞に抗原提示を行なう。
主にT細胞が細気管支までの下気道で作用する。
おもに気管支粘膜固有層のリンパ節内でIgAが産生・分泌され、異物の凝集を担う。 肺胞内ではIgGが主体となってマクロファージと共同して防御にあたる。
健常人では下気道から末梢は以下の感染防御機構の働きによって無菌状態に保たれている。
概念的には「外呼吸の異常のために内呼吸が正常に行なわれず、生体が正常な機能を営みえない状態」を いう。 診断基準はPaO2が60Torr以下(もしくはSaO2が90%以下)を指し、これ以下では呼吸状態が急激に悪化する。
PaO2が60Torr以下でかつ、PaCO2が45Torr以下のもの。
PaO2が60Torr以下でかつ、PaCO2が45Torr以上のもの。 換気不全を来たしており、酸素吸入でCO2ナルコーシスの危険が高い。
急性のCO2蓄積に伴う意識障害であり、正確には脳内のアシドーシスに起因するためこの命名は適切ではない。
急性のCO2蓄積に伴う意識障害であり、正確には脳内のアシドーシスに起因するために命名は適切ではない。 特にII型呼吸不全を来たした慢性のCOPD患者に対して急激な酸素吸入療法を施した際に生じる。
慢性のII型呼吸不全では呼吸制御は延髄でのCO2受容器ではなく抹消のO2受容器によって行なわれている。 すなわち頸動脈および大動脈弓の化学受容器はO2濃度の低下を契機に呼吸中枢に刺激を送る。 こうした状態で高圧酸素を吸入させるとO2濃度が上昇して呼吸抑制が生じ、血中のCO2濃度が上昇してナルコーシス を招く。
延髄の呼吸ニューロンの活動を活発にする要因は
上記諸量が逆方向に変化すると、呼吸ニューロンの活動は若干抑制される。
CO2由来のプロトンに反応する。
O2の低下とプロトンの上昇に反応する。
自発呼吸は延髄と橋にあるニューロンのリズム活動による。 さらに延髄の自発呼吸は橋のニューロンと気道および肺の受容器からの迷走神経からの修飾を受ける(呼吸調節中枢)。
頸動脈と大動脈弓には、圧受容器に隣接して化学受容器があり、動脈血の酸素濃度が低下すると興奮して化学受容器反 射を起こす。
呼吸数と1回換気量を増大させる。
脳と心臓への血流を増し、酸素の供給を確保する。
呼吸に関係する化学受容器はO2の低下、プロトンの上昇、CO2の上昇に反応する。
中枢性の化学受容器は主にCO2の上昇を感知し、末梢性の化学受容器はO2の低下と
の上昇を感知
する。
延髄には化学受容器が存在し、脳脊髄液のプロトンを監視している。 PCO2 が増大すると過換気を起こして代償しようとする。
CO2 が化学受容器に働きかける機構は次のようになる。
プロトンや HCO3-は血液脳関門を通過しないが、CO2 はそれを通過する。
CO2 はそこで水和によって H2CO3となり、さらにプロトンを解離して局所的に[
] を増加させる。
すなわち動脈血のPCO2と脳脊髄液の [H+] は併行して変化するのであり、化学受容器はその[H+]の上昇に反応するの
である。
主にO2の低下に反応する。
吸息呼息ニューロンの切り替えに関係する。