
肺癌、気管支拡張症、肺結核、気管支鏡下生検、気道内異物、気管支炎、肺動静脈瘻、肺化膿症などで生じる。 なかでも気管支拡張症が最多であるが、肺癌を除外することが重要である。
病変は細気管支から肺胞壁にかけて存在するために、吸気時に聴取される。
吸気の初期に聴取される粗い音。 気道内に液体が貯留する、細菌性の気管支肺炎や肺鬱血などで聴取される。
吸気の終末に肺底で聞かれる。
病変は気管支にあり、特に呼気時に強く聴取される。
閉塞性肺疾患において呼気時に聞かれる。
太い気管支の狭窄および分泌物貯留によって乱流が生じた低音性の連続性ラ音。 粘液分泌の亢進する、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症などで生じる。
呼気と吸気の途中に聞かれる。
感染症の起炎菌(多くは細菌)の同定、ならびに肺癌におけるガン細胞の検出を目的とする。 咽頭上皮細胞が多数混入している検体は検査に適切ではない。
局所的な炎症反応を示唆する。起炎菌は膿性部に多く、また膿性の痰は細菌性肺炎を疑わせる。
紅い桿菌が見える。
好中球の増加は細菌性感染を示唆する。 好酸球の増加はアレルギー疾患、特に好酸球性肺炎を示唆する。 異型の扁平上皮細胞の存在は、肺癌を示唆する。
異型リンパ球 virocyte の増加はウイルス感染を示唆する。
細菌感染などの炎症によって血中の特定タンパクの合成が変化する。
肋骨上縁から穿刺する。
漏出液とはタンパクの比重が1.015以下であり、タンパクや細胞をほとんど含まない胸水である。 胸水が漏出液であれば、低タンパク血症・静水圧上昇などの非炎症性の浮腫が疑われるが、胸水に対 するそれ以上の検査は不要となる。
滲出液とはタンパクの比重が1.018以上であり、炎症による毛細管の透過性亢進やリンパ管の異常の際に見られる。 滲出液の場合はさらに細胞診や生化学検査を行なう。 特に胸膜中皮腫で見られる。
X線透視をみながら気管支鏡を抹消気管支に挿入し、その鉗子で肺組織を採取する。 肺動静脈痩などの血管性病変では易出血性のため禁忌となる。
気管支内の病変を気管支鏡で直接観察しながら生検する。
X線下、エコー下、もしくはCT下で肺組織を局所麻酔下に生検する。
頸部で皮膚切開し気管前面に到達し、縦隔鏡を挿入して直視下に縦隔リンパ節の生検を行なう。
壁側胸膜の生検。
前斜角筋付近のリンパ節を摘出する生検法。胸腔内悪性腫瘍の進展度の判定に利用される。
肺門から外側に向かって伸びる線状影。 肺動静脈、気管支動脈、気管支、神経、リンパ管などの結合したもの。
肺鬱血があると肺紋理が拡大して映る。
肺胞が水濃度の物質(浸出液・血液・水・タンパク・腫瘍細胞など)で置換された状態の陰影をいう。 斑状の形態をとり、初期には病巣は区域を単位とするが急速に肺葉へと広がる。 細菌性肺炎・肺水腫・肺胞タンパク症・肺胞上皮癌などに見られるパターン。
水様物質が肺胞腔に蓄積することで呈する、境界不鮮明な陰影を指す。
気管支内の空気が水濃度の陰影に囲まれて樹枝状の透亮像として映し出されるもの。 大葉性肺炎や肺胞タンパク症などの肺胞性病変で見られる。
心陰影を中心に両側びまん性に広がる粒状影で、肺水腫、肺胞タンパク症でよく見られる。 漏出液が主として肺中央部の肺胞内に漏出したために生じた陰影。
気管支、血管、リンパ管の走行に沿ったスリガラス状の陰影で、びまん性の広がりをもつ。 ウイルス性肺炎、肺線維症などの間質性肺炎に見られる。
正常構造が見える肺野濃度の上昇と定義される。 肺野に霞がかかったような陰影を呈し、間質性病変の初期に対応する。
呼吸細気管支の嚢状拡張であり、肺線維症やサルコイドーシスなどの間質性疾患で見られる。
小葉間隔壁の肥厚による線状影。
小葉間の浮腫の際に出現する。
水濃度と水濃度が接して存在しているために、その境界が不鮮明になること。 たとえば無気肺において右第II弓の心陰影が不鮮明になる場合など。
肺癌、肺過誤腫などで見られる。
肺結核、珪肺、肺過誤腫などに見られる。
転移性肺腫瘍や日和見感染で見られる。
4mm以下の円形陰影をいう。
粟状結核、転移性肺癌、肺胞タンパク症、塵肺で見られる。 転移性肺癌では大小不同の粒状影であることがある。
左心房の拡大に伴ってその右下縁が右心房陰影に投影された影。左心房拡大の重要なX線所見である。
肺アスペスギルス症において空洞内に固形の菌球があるために見られる三日月状の陰影。
サルコイドーシスや小細胞癌、悪性リンパ腫で見られる。
病変が胸膜外にあるために、陰影の辺縁がなだらかな移行を示すもの。 中皮腫などで見られる。
線維化などで肥厚した気管支壁が軌道のように並行して走る線状影。 気管支拡張症で見られる。
肺の栄養血管である気管支動脈を造影する方法。
換気血流不均等を見る。主に肺塞栓症の検索に用いられる。
Tc-MAAを静注すると肺抹消血管床に捕捉され、肺動脈の血流分布をあらわすが、肺塞栓症では肺野に分布欠損像が 認められる。
特に肺気腫の診断に有用であるが、侵襲度が強いため近年ではあまり用いられない。
小葉中心性肺気腫 centriacinar では大きな陰影が散発する。 汎小葉性肺気腫 panacinar では小さな陰影が頻発する。
内視鏡を用いて肺胞に生理食塩水を注入し、それを回収する。 患者への負担は少ないが、肺に生理食塩水を注入することでPaO2が下がるという欠点を持ち、急性期の肺炎では増悪 を来たす。
回収した洗浄液を細菌学的検索・腫瘍細胞診・細胞分画のために行なう。 正常の細胞分画は肺胞マクロファージ 90%,リンパ球 10%である。
カリニ肺炎・サイトメガロウイルス肺炎・肺結核における菌の証明。
肺胞上皮癌・白血病・悪性リンパ腫などにおける悪性細胞の証明。
気管支喘息・慢性気道感染症の場合に多量の気管支分泌物を除去する。 肺胞タンパク症では片肺全体を大量の液で洗浄する。